695年生誕。737年没。

 

 

藤原不比等と、天武天皇の夫人だった異母妹の五百重娘との息子。

藤原四兄弟の中の四男。 異父兄には、新田部親王がいる。

 当時の権力を一手に握っていた、藤原四兄弟の一人として

有名ですが、「万葉集」の代表的歌人の大伴坂上郎女の恋人としても

有名。藤原麻呂が左京大夫だった時に、彼女に贈った相聞の歌の

三首がある。 左京大夫とは奈良の都の左京の部分の長官で、

現在で言えば、都知事に相当する。

結局、大伴坂上郎女とは、結婚にまで至らなかったらしい。

まあ、当代一の実力者である藤原不比等の息子で、

出世頭の貴公子ですから、さぞ女性関係も、華やかだったでしょうしね。

 

 

 

「万葉集」巻四  五二二 をとめ等が玉くしげなる玉櫛の神さびけむも

妹に逢はずあれば

 

 

 

 

五二三 よく渡る人は年にもありとふを何時の間にそもわが恋ひにける

 

 

 

 

 

五二四 むしぶすま柔やが下に臥せれども妹とし寝ねば肌し寒しも