「万葉集」巻七 一三三〇 佐保山をおほに見しかど今見れば

山なつかしも風吹くなゆめ

 

意味 佐保山、この山をそうたいして気にもとめずに見ていたが、今改めてみるといたく心引かれる山だ。風よ、吹かないでくれ、決して。

 

 

佐保山に、幼馴染みの女性を例えた歌。

今まではそれ程女性として意識して眺めた事はなかったが、相手が成人してから改めて見てみると、たいへん魅力的であり、この上は自分のものとしたい、だから誰も邪魔しないでくれよという男性の気持ちを詠んだ歌。