生年不詳。霊亀二年(716)没。

天智天皇と越道君娘の皇子。

天武天皇の皇女であり、従兄妹であり、斎王だった多紀皇女と結婚。

他には、白壁王(後の光仁天皇)の母の、

紀朝臣橡姫がいる。

白壁王の他の子供には、湯原王・榎井王・春日王・海上女王・坂合部女王・難波女王・衣縫女王がいる。

娘の海上女王には、聖武天皇との相聞が「万葉集」にある。

天武八年(679)に、兄弟の川島皇子と共に、

吉野の盟約に参加している。

 

 

「万葉集」には、六首が収録され、いずれも優れた作品であり、

万葉集の代表的歌人の一人に数えられている。

 

 

 

万葉集 巻第四  五一三 大原のこの厳柴の何時しかと

わが思ふ妹に今夜逢へるかも

 

 

大原のこの神聖ないつ柴のように、いつ逢えるかと願っていた

あなたに今夜会えた事よ。